第3回会議の議事録(下)
今年3月15日に開催しました第3回目の「町本会」の議事録の(下)です。
「本屋だけは『つまはじき者』を出さないような場所にしておきたい」と話す、増田書店・篠田さんの本屋論。最後までお読みください。
なお、今回の議事録は、共催してくださった「国立本店ほんとまち編集室」さんが制作してくださいました。ありがとうございます!
(「国立本店」さんの HPはこちら→http://kunitachihonten.info/)
笈入
本をなぜ読むのかを伝えてこなかったという話がありましたけど、たぶん僕らの世代も含めたもうちょっと上の世代への話なのかなと思います。
ばっちりした結論でなくてもいいので、本とはこんなもんなんじゃないかなというのはありますか? すごく大袈裟な質問だし、難しいとは思いますが。実感として本はそう簡単になくしてはいけないというのがあるわけですよね。
篠田
そうですね。うーん、やっぱり増田書店があって国立がある。国立があって増田書店があるっていうのもそうなんですけど。
最初は増田書店が国立の文化を背負っている部分があると思って入ったんです。それがだんだんと変わってきて。さっき島田さんが仰っていたみたいな、ラカン読んで、翌日に友達に話してイヤな思いをさせたりとか、ぼくもしてるんですけど。
島田
させなきゃだめなんですよ(笑)。
篠田
評価の高い人たち。たとえば、小林秀雄とかはいまよりずっと読まれていたはずなのに世の中あんまり良くなっている感じがしない。別に本を読んだからって賢くはならないなというのを、すごく思うようになりました。だから文化に貢献するというのも、ちょっと違うのかなと……。
文化を背負うというよりは、もっと平たい感じになってきていて。つまり、本屋にはあらゆる考え方が揃っている。個人的にはあんまり好きじゃない、もしかしたらあんまり目に触れないようにしておいたほうがいい考え方の本ですら、ちゃんと揃っている。
特に国立の増田書店みたいなところは、本当に入口でいい。育っていく子たちがいろんな考え方に触れて、正反対の考え方の本も置いてあって、なるべく広い考え方に触れられるような場所というか。ああいう小さい規模の町で、といっても7~8万人くらいはいますが、なるべく本屋だけは「つまはじき者」を出さないような場所にしておきたい。あらゆる考え方があって、誰が来てもよくて。
twitterとかで、本屋に嫌韓の本が積んであるのはどうかといわれているじゃないですか。たしかに個人的にも好かないんですけど、1冊の本でそんな振り回されてんじゃねえよと。つまり、読んでみて、この人たちはこんなふうに考えているのかと調整していくような考え方。もし自分はそうじゃないんだったら、なぜその人たちがそう考えているのかを知って、調整していけるような人たちを醸造するというか、そういう場所にしておきたいと、個人的には思っています。
やっぱり町の本屋というのは、言いたいことがあるというよりも、人の話を聞く場所にしておきたい。お客さんとの対話っていうんですかね。ぼくが好んで行く本屋は言いたいこと、こうあるべきというのがしっかりとあって、それはそれでいいんですけど、増田書店の規模だったら、それをやるのはやっぱり違うような気がします。
薄っぺらい中でも誰かが引っかかってくれて、もしかしたら7万人に1人くらいは自分みたいにいずれ、「ああ、あの本屋は結構いい店だったのかもしれない」って、どこか別の町に行った時にでも、思い返してもらえるような場所であればいいかなと思っています。
本は好きだし、守らなければいけないというのはすごくわかるし、ぼくもそう思うから本屋をやっている。あらゆるものが書きつけてあるというのはポジティブなことだと思うので。
笈入
なるほど。他にそういう役割を果たす場所ってないもんね。
篠田
そうですね。そんな気がします。人によっては、かつて本屋が担っていたようなものを別の場所に作っているのかもしれないですけど。
笈入
タコ壷化とかよくいうじゃないですか。そういうのとは逆の働きが結果としてはあるのかなと。
島田
紀伊国屋書店佐賀店の店長さんが、ほぼ同じようなことを仰っていたんですけど。多様性。入り口となる本屋さんに徹する、というのを聞いたときに、紀伊国屋書店さんの品揃えというのは納得するところがあって。ニュートラルな感じといいますか。
笈入
お客さんとの対話というのは、職場の先輩とかからこういう風にやるもんだみたいに教えられたことはないんですか?
篠田
はい、まったくないです。店長が結構しゃべるほうなので、それを見てというのはあるかもしれないです。常連さんとはよく話すようになりました。ぼく、常連っていうのはこんなに来るものなのかと思って。本当に毎日来て、毎日買っていくっていう。
笈入
それはなんでだと思います?
篠田
それがわからないんです。
笈入
そこは研究しましょうよ(笑)。
篠田
だって土曜に来て、日曜に来たって、日曜は入荷がないから何も変わってないのに、買っていく人もいるし。
碧野
そういう人は何人くらいいらっしゃるんですか?
篠田
顔が思い浮かぶだけでも、10人くらいは。
碧野
すごい! ちなみに笈入さんのとこは?
笈入
ええ? まあ2人くらいですかね。
碧野
毎日買っていかれますか?
笈入
毎日買われますね。なんかもう買わなきゃいけないものだと思っているんじゃないですか。
島田
入場料的な感じで。
碧野
そういうお客さんって一般的にどこの本屋さんにも少なからずいるものなのかしら?
島田
小さい本屋さんの場合だとよくそういう話は聞きますよね。本屋図鑑を作っている時に、人がいる店内のイラストを描きたいから写真撮影に協力してくださる方いませんか? って聞いたら、たぶんね、あと10分くらいで来ると思うんだよねといって。九州だったんですけど。本当に10分後に来るんですよ。
碧野
本屋図鑑に載るような本屋は、濃い客を掴んでいるのだと思いますけど、普通のナショナル・チェーンはどうなんですかね。
笈入
話す暇がない。ぼくが旭屋書店にいる時はまず無理でした。差し支えない範囲で構わないんですけど、お客さんとはどういった話をされますか?
篠田
天気のこととか。春めいてきたっていうようなことから、やっぱり本の話。あれがおもしろかったとか。本に関しては、本当にお客さんに教えていただけることがすっごく多くて。それで読んでみて入れる作家もいるし。
笈入
それはいいサイクルですね。サイクルとかいうとなんかいやらしい感じがするけど。
篠田
いやでも本当に。お客さんに育てられているところがあります。
笈入
ぼくもこのあいだ、時代小説の文庫で、この作家とこの作家は痛快一番だから絶対に入れろっていわれて、佐伯さんの次は絶対にコレだからって4~5人教えてもらったかな。そういうのはありますね。人にもよりますけど、本を読んだら誰かにしゃべりたいというお客さんは多いのかもしれないですね。
篠田
あれがよかったとか、最近いい本ある? というのは、非常によく聞かれます。
島田
300~500坪っていう広さだとそういうのは難しいのかな。
笈入
いや、面積っていうより人手の問題ですよ、単純に。ぼく池袋にいる時なんか目を三角にして、話しかけてくれるな! つって仕事してましたもん。みんなそうでしたよ。だってそうしないと仕事が終わらないんだもん。
島田
まちづくりという観点から活動している若い人たちがたくさんいると思うんですが。たとえば、今日は共催という形で国立本店さんがおりますけど。すいません、紹介が遅れましたけど、最後の最後にすみません。
伊藤
ご紹介いただきました。国立本店の伊藤と申します。国立本店自体はもともと西新宿のOZONEというところでイベントなどのディレクターをやっていた、萩原修さんという方が、デザイナーのコミュニティの拠点として作ったのが始まりです。
私たちはほんとまち編集室という名前でメンバー約30名くらいで活動しているんですけど、それ自体は今年2年目で、メンバーがそれぞれ本を持ち寄って店の本棚を埋めて、その場所を使って自分たちがやってみたいことをやりながら地域との接点を持つというのが基本的なところで、コミュニティスペースとしてやっています。
島田
それで去年は増田書店さんの本でイベントをしたんですよね。
伊藤
私たちが活動するなかで地域との関わりというのを考えた時に、まずは国立のリアルな本屋。書店員さんの知恵というか、すごいところを見てみたいという単純なところから始まって。じゃあ増田書店さんにお願いして棚を作っていただきましょう、そして私たちが売りましょうという企画を去年の8月に2週間やらせていただきました。
島田
国立本店さんの場所で増田書店さんの本を売ったってことですよね?
伊藤
はい、会期中は篠田さんが毎日手を入れてくださるので、毎日まったく違う棚になっていって。2週間のあいだにそこで売れた分というのは、増田書店さんの普段の売り上げからすればたかが知れていたと思うんですけど、それでも篠田さんが労力をかけて夜遅くに台車で本を運んでくださるという。
でもそういうことをやってみたら、多方面からすごく注目していただいて。増田書店さんは最初のほうのお話にもあったように、ちょっとコワイなっていう印象があって。最初はおそるおそる社長にプレゼンしに行って、OKをいただいて。国立本店は非営利団体ですし、なにをやっているかよくわからないようなところではあるんですけれど、だからこそできることがあると思っていて。増田書店さんとの関わり方とか、今回の町本会というのもそうなのかもしれないですけど。
島田
笈入さんのほうも、不忍ブックストリートが今年5月にありますけど。それは谷根千(*5)の人たちが?」
笈入
もともとは、往来堂書店のある不忍通りに数軒の古本屋さんが集まりつつあったんで、この通りを不忍ブックストリートと名乗ってしまえという、町おこし的なイベントですね。実行委員がいて地図を1年に1度改訂して、年に1回か2回、一箱古本市という参加型で50~100人の方々が本を持ち寄って売るという。その実行委員がお店をやっているので、なかなかその人間だけでできるわけもなく、不忍界隈で生まれ育ったわけでもない人たちが、結構参加してくださってます。ボランティア的な方々も広く募集して。これはもはや地元によるイベントの域を超えてます。
島田
本屋さんてそういう時に拠点になりやすいような気がするんですけど、それってなんでなんですかね?
笈入
それはさっきも話に出たけど、誰が来てもいい場所だし、出入りのハードルが低いというのもあるんじゃないですかね。本屋側の人間も別に待ち合わせに使ってくれてもいいよって普通に思ってるんですよね。それは単にいままでそうだったからってことだけですけど。他の店だったらさ、注文もしないで帰るのかって話になっちゃうけど。喫茶店だったらお茶飲まなきゃいけないし。でも、本屋はまたいつか来てくれるかもしれないしって、こんな本置いてんのかってまずは見て帰ってもらえればいいから。
*5 谷根千・・・谷中、根津、千駄木を含むエリア。新刊・古書店、出版社など、本に関わる人たちが集まっている
第3回会議の議事録(中)
今年3月15日に開催しました第3回目の「町本会」の議事録の(中)です。
『書店ガール』の創作秘話から、個々人の読書論まで。
「本を読むとはどういうことなのかを、次の世代に伝えられなかったからなんじゃないかな」という篠田さんの言葉が心に残ります。
島田
碧野さんは『き・まま』という地域雑誌をやっているんですよね。
碧野
ええ、元編集の仲間5人でやっています。だいたい吉祥寺から立川までの本屋に営業して置いていただいているんですけど、国立はすごい敷居が高かったんです。
なぜかというと、小金井在住のスタッフがやっているので、多摩地区の雑誌ではあるけど、小金井の情報がどうしても多くなる。国立の人からしたら小金井なんてバカにしてるんじゃないかと(笑)。東西書店はおしゃれな本も多いから、そんなノリで置いてくれるかもしれない。増田書店さんはどうかなってビクビクしていたんですが、結果的に両方ともすごく売っていただいています。こちらが思っていた以上に、国立という街は度量が広いなあ、と関心しています。
島田さんの言うように増田書店さんのようなちゃんとアカデミズムを踏襲した、地域の知識人を集めるような本屋は地方でも少なくなっています。海文堂もそうですけど、やっぱり文化度の高い町には老舗書店というものがあったのに、いまは軒並み苦戦している状況のなか、増田書店さんがみすず・岩波を増やさなきゃ! と仰っているのを聞いて私はすごくびっくりしています。増田書店が昔のままの姿勢を保ち続けていられるのはなぜなのか、当事者としてはその理由をどう思われますか?
篠田
みすず・岩波というか、そういう信仰みたいなものはないんですけど。先程、ぼくは増田書店に通い始めてからはそんなに長くないとお話ししたんですけど、やっぱり国立にずっと住んでいて、増田書店に育てられたという感じがあるので、それを返したいというか。基本的に受けたものは守る。ぼくが勝手に判断して消していいものじゃないという認識があります。
みすず・岩波も棚が変わってきてはいるものの、あそこに行くのが楽しみだといってくださるお客さんもいて。個人的にはみすず・岩波の本に思い入れがあるとか、すべて素晴らしいとかいう風には思ってないんですけど。なんていうんですかね。海文堂さんは99年ですけど、増田書店も66年というそれなりの年数をやってきていて、やっぱり勝手にやめていいものではない。勝手になくしていいものではないという意識がありますね。それを共有できているスタッフが1~2人はいるし、それと店長もまだいるので。お客さんと話したりするとどうしても、ごっそり削ってその人たちに寂しい思いをさせるのはあんまりいいことではないかなと。
笈入
増田書店が育ててくれたというのは、もうちょっと細かくいうと、置いてある本の並びなんですかね?
篠田
うーん、並びなんですかね。ぼくはそんなに本を読むほうではなかったですけど、たまに探す本があった時には増田書店にさえ行けばよかった。
静岡にいた時にもう少し本を読むようになって、じゃあすぐに見つかるかといえば、それはあんまりなかったんですね。面積的に考えて増田書店にどんな本でもあるわけではなかったはずなのに、自分の欲しい本はあった。ずっと自分が選んで買っていると思っていたんですけど、見つからないってことを経験すると、それはどこにでもある本ではなかったんだというのを、あとから知る。まあ、導かれたっていうほど別に恩は感じてないですけど。
笈入
そこまでではないっていう(笑)。本屋はあんまり押し付けがましくてもね。
島田
いやあ、感動するっていうか。なんかいい話聞いたなあ。
笈入
勝手になくしちゃいけないものがある。目に見えない何かこう、受け継がれてきたもの? それを簡単に途切れさせちゃいけないんだ!っていうのをハッキリ聞いたの、すごい久しぶりだなあと思って。
島田
ぼくも久しぶりに聞いたなあ。
笈入
いや、司会なんだから感心ばかりしてないでよ。
島田
国立の人は国立愛が強いんですかね。そういう感じはありますよね。
篠田
他の町と比較したことはないんですけど、やっぱり国立関係の本があると売れたりするし、国立に住んでいる人は国立に愛着のある人が多いような感じはありますね。
碧野
私は小金井在住ですけど、小金井の住人よりも、やっぱり国立の人たちは町にプライドを持っている感じがします。だから地元のお店を大事にしたいっていう意識も強いんじゃないかなあっていうのは、すごく思うんですよ。小金井や国分寺に増田書店があったら成立するかな。
国分寺も本屋がどんどんなくなって、駅ビルの紀伊国屋書店さんと、あと三石堂書店さんがありますけど、まあそれくらいで。三成堂書店という大きな本屋がなくなっちゃって、もう紀伊国屋書店さんがあればいいとみんな思っちゃってますよね。小金井にもくまざわ書店さんや啓文堂書店さんが中心になって、それはそれでいい本屋さんなんですけど、やっぱり国立は違いますよね。ナショナルチェーンが入り込んでない。
篠田
それがなんでなのかはよく分からないんですけど。ずっとナショナルチェーンに無視されてるだけかもしれないです(笑)。
島田
それだけの広さのスペースがない、とか?
笈入
国立には確か景観条例とかがあるんですよね。だから、高いビルが建てられないとか?
碧野
駅ビルもありませんしね。だけど、それだけじゃないと思います。200坪300坪でも、勝算があればナショナルチェーンは出店しますしね。
島田
碧野さんの代表作『書店ガール』という小説は、吉祥寺の大きな書店が舞台なんですけど、老舗書店がなくなって新たな大きな書店に転職して、具体的なところはかなり具体的で。吉祥寺というのはなんかまた違いますよね
碧野
最初吉祥寺を舞台にしようと思ったのは、1千万の赤字を解消して本屋を立て直すという話だったので、ある程度都会じゃないとありえないだろうと思ったんです。人が多くないと、それだけの売り上げが立てられませんから。
個人的に馴染みがあったのは、実は当時住んでいた新宿とか高田馬場の方で、実際の店の作りは高田馬場の芳林堂を参考にしています。だけど、高田馬場や新宿では、個人の頑張りが入り込む余地が少ないような気がしたんです。その点、吉祥寺はまだ牧歌的なイメージがありました。個人商店も多いし、ハモニカ横丁とかもあるし。
最初にこれを書いたのは6~7年前のことで、まだジュンク堂の影もかたちもなく、大きい店といえばリブロか駅地下の啓文堂か、という感じでしたし。それで吉祥寺を舞台にして、ラストで主人公が千坪超の大型書店にスカウトされる、って書いたら、その後、実際にジュンク堂が来てしまった(笑)。リアルがフィクションを追いかけている感じ。
実際この数年で吉祥寺もどんどん都会化されているし、正直ドラマの作り手としてはやりにくいところがあります。成り行きで、主人公を大型書店に勤務させることになってしまったし。個人的には、300坪くらいまでの本屋の方が好きだし、ドラマも作りやすいと思っているのですけどね。
島田
そういうものですか。
碧野
人によって違うと思いますけど、私的にはそんな感じ。
ところで、笈入さんの往来堂書店さんは小さい店ですけど、すごく個性が強い。そうした店は、たとえば小金井でも成り立つのかというのを伺いたいんですが。
笈入
小さい本屋のほうが、あちこちで成り立つ可能性は高いですよね。今日お話ししていても思うのは、お客さんとの目に見えない関係ですよね。それが大事なんだと。別に岩波がなきゃいけないとかじゃなくて、それは町によっていろいろでいいんです。小金井だろうが千駄木だろうが、経営指標的には家賃の水準とか、世帯数の話とかがあって、方程式の変数はいろいろありますから。損益分岐点というのは計算で出てくると思いますけど、小さい本屋のほうができると思います。目に見えない何かを取り結ぶ能力があればの話ですけど。
往来堂は品揃えに定評やこだわりがあるって今朝も新聞で書かれていたんですが、つまりそれは本にこだわるというよりは、お客さんとの関係をどこまでも求めるということです。それと同じことですが、本を選ぶ選ばない問題というのもあって。
セレクトショップは町の本屋とはいえないんじゃないかとかいわれるんですけど、店をやっている側からすると、その議論はあんまり意味がなくて。お客さんがいて、そこに置く本が決まるんだと。それはお客さんを見たうえで選ぶ。選ばないで本屋なんかできるわけないので。選ぶなというのは死ねと言うのと同じで。
碧野
小さい本屋はみんな、ある意味セレクトショップですよね。だって選ばないと、来た本をそのまま全部置けるわけじゃないし。だけど、往来堂さんみたいにやれるかというのは、その町のお客さんだけでなく、店をやる人の力量にも掛かっている気がします。
島田
いま、いろんなところで次の一手をどう打っていくかという。この町本会もそうですけど、いろんなところでイベントがあって話されているわけですが、本屋さんが全力でやっても苦しいというこの状況は、どういう風に思いますかね。
篠田
本を読まなきゃいけないということではないと思うんですけど。なんで本なのかとか、本を読むとはどういうことなのかを、次の世代に伝えられなかったからなんじゃないかなと思います。なんで本を読むのかということを、雑誌などに書かれているのをあまり見かけたことがないですし。生きていく時に本が一体何をもたらしてくれるのか、あまり聞いたことがない。
すごくこう、みなさん切実に本を守りたいという感じは伝わってくるんですけど、なんでこんなに守りたいのかっていう、そこじゃないですかね。
たとえば、レコードを聴いてすばらしいと思って、これすごいいいんだよ! っていっても、相手にはわからない。大学時代、お酒を飲みながらああでこうでって長々話して、やっと一枚のレコードを、なるほどコイツはそう聴いてるんだ。聴いてみたら結構いいかもねっていってもらえるのであって、ただただすばらしいといったところで、それはたぶん残らないんだと、ぼくは思うんですけど。
島田
あの、ぼくがそれにプラスしていいたいのは、本を読むって実はそんなに楽しくないというか。結構大変なんですよ、映画とか音楽とかと比べると。
映画って、2時間とにかく眠らずにいれば観たことになるわけでしょう。それに対してあそこの場面がよかったとかいえるけど、本は2時間寝ちゃったら本当に進まないですからね。そりゃ、本を読んだら楽しいおもしろいっていう一面はありますよ。でもぼくの個人的なものからすると、大変だったという記憶のほうがやっぱりあって。大学の時にみすずとか岩波とか薦められて。まあなんでもいいですよ。ラカンとかも買うわけですよ。ね? 5000円も出したり、古本を探したり大変なんですけど。
そういうものを読んでみて、あとからいいなあとか、良かったなあとか、なんか頭良くなったような気がするなあとか。世の中見えるような、同級生より少し見えてる感っていうか。でもそれってぼくは結構、本質のような気がしていて。本のおもしろさを伝える時によく寝ずに読んじゃいました! みたいなことをいいますけど。読んだことないですよぼくは。寝ずに最初から最後までなんて。
笈入
え、そういう種類の本はあるでしょ。
島田
まあ、ありますけど。
碧野
ミステリーとか読まないんですか?
島田
読みますけど。眠りますよぼくは。
笈入
気付いたら朝だったとか。
島田
絶対にないです。 賭けてもいいですよ(笑)。
第6回「町には本屋さんが必要です会議」のお知らせ
「町には本屋さんが必要です会議」(町本会)の公開会議、第6弾が決まりました。
いまもっとも注目されている本屋さんのひとつである、広島県庄原市の「ウィー東城店」の佐藤さんをゲストにまねき、町の本屋さんの可能性についてお話を伺います。
「町には本屋さんが必要です会議 Vol.6 in 福山」
日時:5月17日(土)18:00〜
場所:SOHO福山(エム・シー福山ビル6F)
http://www.kkmc.jp/
広島県福山市東桜町1-41 エム・シー福山ビル6F
出演:佐藤友則(ウィー東城店)、島田潤一郎(夏葉社)
会費:1000円
予約方法:ウィー東城店 へメールかお電話でお申し込みください。
メール:so310t(アットマーク)helen.ocn.ne.jp
お電話:08477−2−1188
受けつけ、はじまっております。
ぜひ。
第3回会議の議事録(上)
遅くなってしまいましたが、今年3月15日に開催しました第3回目の「町本会」の議事録です。
東京の国立にある老舗書店、増田書店の篠田宏昭さん、作家の碧野圭さん、往来堂書店の笈入健志さん、夏葉社の島田の4名で質疑応答を合わせて計3時間、「町の本屋さん」について話し合いました。
場所は国立駅前のギャラリービブリオさん、「国立本店ほんとまち編集室」さんが共催してくださいました。
3回にわけて議事録をアップいたします。
まずは1回目。
増田書店さんについて。
島田
『町には本屋さんが必要です会議』今日が3回目になります。この会議が具体的にどういうところから始まっているかと申しますと、ご存知の方も多いかと思いますが、神戸に海文堂書店さんという非常にすばらしい本屋さんがあって、そこが、2013年9月末に経営的判断で閉店をしました。海文堂書店は非常にいい棚をちゃんと手を入れてつくっていた。
本屋さんというのはこれまでは、素晴らしい人たちがいて、良書をきちっと揃えていい棚をつくっていればお客さんがちゃんとついてくれる、大丈夫だ、というのが、少なくとも、その時点までのぼくの認識だったのですが、もうすでにそういうところにはないのではないか、と思いはじめたんです。本屋さんがいくらがんばっても、どんなに棚に手を入れても、お客さんの足が遠のいているような状況だと感じています。
先日ある書店主の方が、「私たちは200%の力で本屋さんをやっている。それでもお客さんが減っている。そういう時に打つ手はもうないんじゃないか」というようなことを仰っているのをぼくはなんともいえない気持ちで聞きました。町本会というのは、町の本屋さんに携わる人というよりは、その町に住む人たちが主体となって、本屋さんに対してもっとできることがあるのではないか、と考える場だと思っています。出版業界だけでなくいろんなたくさんの人たちと議論を共有しながら、今後の本屋さんの未来像みたいなものを、探っていきたいと思っています。
1回目、2回目は本屋さんが小売りとしてどのような状況に置かれているのかというのを、他業種を参考にして話してきたんですが、今日は話を絞りまして、「町と本屋さん」というテーマで進めていきたいと思います。町のなかで本屋さんがどういう役割を担ってきて、これからどうなっていくのかというのを堅苦しくなく、ゆっくりと話していきたいと思います。
なお、今日登壇いただく増田書店さんですが、ぼくは夏葉社という出版社を2009年の9月に立ち上げたんですけれども、いちばん最初に本をつくるにあたって、この本屋に置いてもらえたらいいなというお店がいくつかあって。そのひとつが増田書店さんだったんです。古くからあるタイプの、少しコワイ感じもあって。店長さん(*1)もコワイ(笑)。あと、地下のフロアにみすず書房とか岩波書店とかが並べてある、知識に対する憧れみたいなものを呼び起こさせる棚があって、あそこに認められるような本をつくりたいと思っていました。これは余談ですけど、増田書店の店長さんに営業に行ったら、なぜか怒れるっていう(笑)。
笈入
なんて怒られたんですか?
島田
ぼくが最初に作ったのは『レンブラントの帽子』(*2)という復刊ものだったんですけど。復刊なんかやめてもっと新しい読者に向けて本をつくりなさい。未来の読者に向けて本をつくりなさいって、初対面で怒られて(笑)。その言葉がすごい残っておりまして。そのあと篠田さんがいろいろやってくださって、いまは置いていただけることになったんですけど。とにかく、増田書店さんは昔からずっと好きです。
あと去年『本屋図鑑』(*3)という本を出しまして。取材をしていて感じたのが、増田書店さんと似たようなタイプの本屋さんが苦戦しているというのが、非常にあってですね。それはクラシカルな、数階建ての、たとえば、1階が文庫、児童書、雑誌。2階が人文、3階がコミック、学参というようなタイプの本屋が苦戦している。それに対して増田書店さんというのは、いつもお客さんが入っている印象があるんですよ。
篠田
全盛期に比べると、やはりかなり減っているというふうに聞いているんですけど、増田書店がよそと違うとしたら、あそこが持ちビルだというのがあるのかもしれなくて。あんまりお金のことはわからないんですけど、それはかなり大きいのかなと。なので、本屋が厳しいってわわれるのも、よそとはちょっと感じ方が違うんじゃないかという気はします。
島田
篠田さんは増田書店に入られて何年目になるんですか?
篠田
いま6年目です。ぼくはずっと国立を最寄り駅にして小・中・高と通っていました。増田書店に行くようになったのはいつが最初だったか覚えてないんですけど、たぶん母や祖父に連れられて行っていました。でも別に一人で行くようなところではなくて。家からもっと近くに小さな本屋さんがあって、欲しいコミックはすべてそこに揃っていたので、駅を越えて増田書店に行く必要はなかったですね。その小さな本屋がなくなって、駅を出ざるを得なくなって、増田書店に行くようになったんだと思います。
島田
それはいつごろ?
篠田
高校のころですかね。駅寄りに東西書店さんがあるんですけど、あそこはたしか、4~5階建てで全部書籍だったんです。それからどんどんテナントが変わってきちゃって、本の売り場は縮小していきました。コミックは東西書店さんのほうが充実していて使っていたんですけど、祖父に連れられて行くのは増田書店でした。祖父は結構本を読んでいて。
島田
それからどういう経緯で増田書店さんに入られたんですか?
篠田
ぼくは大学で地方に出ていて。静岡だったんですけど。大学在学中に勉強がつまらなくなり、なぜか本屋をやりたくなって。短期のバイトで神保町の三省堂書店さんや、静岡の本屋さんで働いていたんですけど、そろそろ大学を辞めてちゃんとやろうかなと考えていた時に、親が増田書店に募集が出ていると教えてくれて。増田書店はもともと好きな本屋だったので、それで帰ってきました。
島田
どうして本屋さんになりたいと?
篠田
いや、本当は音楽のほうが好きだったんですけど、好きじゃない音楽を聴くのは耐えられないと思い、レコード屋はないなと。本は表紙とかうるさいなと思うものがあったとしても、無理矢理音楽を聴かされたりというのとは違って、見なければ済むことなので。
島田
そうですね(笑)。いまの担当は?
篠田
文庫です。あと雑用。増田書店は店長を除くと社員が4名いるんですが、そのなかでは一番入社が遅いです。
島田
雑用。
篠田
はい。
島田
入社されてから店内のレイアウトは基本的に変わってないですか?
篠田
あんまり変わらない感じですね。自分の担当はかなり変えてるんですけど、昨年の9月くらいに一旦実用書をやったことがあって、そのときに今までずっと変えてなかったところを変えましたけど、基本的にはそんなに大きくは変えてないですね。
島田
増田書店さんは創業してどれくらいですか?
篠田
66年と聞いています。最初は会長、いまの社長のお父さんが、大学へ行く時の学費とか生活費のために蔵書を売ったり、ちょっと小遣い稼ぎをしたいとお母さんにお金を借りて自分で本を仕入れて売っていたらしいです。最初はなんかバラックだったらしくて。
島田
そうだったんですか。国立全体が?
篠田
まあ、そうだったんだと思います。
島田
すみません、ぼく増田書店さんにすごく興味があるので。あの、店としてこういう理念がとか、棚作りのルールみたいなものっていうのはありますか?
篠田
一切教えてもらったことはないです。書店員とはこうあるべきとか、町のなかで本屋というのはどういうふうにあるべきかみたいなことは、一度も上の人から聞かされることはなくて。放任なのかなんなのか。
島田
でも、増田書店らしさというのはありますよね。東京の他の町で増田書店さんみたいな本屋って、ありそうでなかなかないような気がして。みすず書房、岩波書店っていう、あのへんの感じを150坪の本屋ではあんまり見ないです。でも、地方の老舗の本屋さんへ行くとやっぱりあるんですよ。そこを誇りにされているようなところが。うちはこれを絶対に守るんだみたいな。売れ行きはよくないかもしれないけど、そこは矜持として置いておくんだっていう。
笈入
話に出ている、みすず・岩波コーナーというのは昔は結構あったと思うんですよ。あちこちの本屋に。それを守るというのは、別に岩波の本を守るとかみすずの本を守るってことじゃなくて、毎月新刊の案内を熱心に見て、定期も予約してくださって、単行本もめぼしいものがあれば予約をし、新書も文庫もちゃんとチェックしてというお客さんとの関係を守るってことであって、別に本を守っているわけじゃないと思うんですよ。その関係を守るっていうことが多分できなくなっちゃったんで、お客さんはどこか別のところへ移り、結果として岩波コーナーを作れなくなる。人員に余裕があったり、人文書担当がばっちりいればできるけど。
蒼野
増田書店さんのみすず・岩波の回転率はどうなんですか?
篠田
相対的にどうかはちょっとわからないですけど、比較的売れるほうなんじゃないかと思っています。あと、ここは増やさなきゃいけないとていうふうには思っていて。ぼくが引き継いだ時には、なかば反乱的にかなり増やしました。
島田
あ、そうなんですか。
篠田
文庫のとこだけですけど。
碧野
増やさなきゃと思った理由というのは?
篠田
島田さんや笈入さんが仰っていたのと同じで、これは置いておかないといけない、守らないといけないところなんだというふうに、入った時にすでに思っていて。なんで思ったかというのは、たぶん自分の親とか祖父の影響だと思います。店のスタッフでひとりふたりそういう話をする人はいますけど、基本的にはなにかがあってとかじゃなくて、無意識的にそう思ったというか。
島田
ぼく、みすずさんの本で欲しいのがあって、今日増田書店さんで探しても見当たらず。店長さんに聞いたら、「買うべき人が買ったからない」っていわれて。
篠田
そういうことはすごいあります(笑)。
島田
それはね、やっぱりすごいですよ。
笈入
発注してちゃんと入ったんだけどっていう話でしょう?
島田
そうそう、5冊入って買うべき人が買って、あと1冊は動かないから返したっていう。
笈入
それって名前まではわからないにしても、お客さんの人数はかなり把握できてるってことですよね。
篠田
はい、顔は見えてますね。あの人がここから買うというのは、かなり押さえてあって。実際にその人たちが買って終わりということはあります。
島田
それって商売の理想だと思うんですけど。
篠田
でも買われるのはやっぱり高齢のお客さんです。
島田
増田書店さんて店売りの他に、外商っていうのは?
篠田
配達と、教科書と。
島田
配達はどれくらいされてるんですか?
篠田
いまはちょっと変わっちゃったんですけど、前までは桐朋学園小中高と国立学園と、本当に近いところですね。あとはずっと長く付き合いのあるお客さんに週刊誌とかそういうのです。
島田
すごいなあ。ぼく、ここまでで結構お腹いっぱいみたいなところがあるんですけど。知りたいことだいぶ知れたなあと思って。いや、すいません(笑)。笈入さん、久しぶりに増田書店さんに行かれてどういう印象でしたか?
笈入
そうですね。ぼくが行ったことあるのは2~3回だけなんですけど、すごくオーソドックスなレイアウトの本屋だなと。昔ながらという言い方がいいんじゃないかな。人文書、思想、哲学、心理学があり、歴史があり、社会情勢みたいな。もちろん細かいところで工夫はされていると思うのですが。
最近取り上げられている本屋というのは、そういう分類とは全然違うふうにできていて。これはいい悪いじゃないんですけど、素人のお客さんっていうか、専門家じゃないお客さんというか。なんだろうな。衝動買いといってしまったほうがいいのかな。気分とか。そういうものにどうすれば寄り添えるのか。最近の書店業界はそういう試みがされている傾向があって。
往来堂の文脈棚というのも、客観的に見たら、なんでおれこんなことやってんのかなとか思って(笑)。もちろん、20坪のハコの中でやらなきゃいけないので、オーソドックスな棚をつくったってろくな売り場にならないので。新書も、現代新書、岩波新書、中公新書と、レーベル別に分けておくのが普通じゃないですか。うちはそれをやるとひとつのレーベルで10冊ずつしか置けないので、意味ないなと。そうしたら、宗教の関係とか、経済の関係とか、原発の関係とかというふうに置いて、なくなったら入れ替えるんですけど、それと同じことを単行本とか文庫とか雑誌とか混ぜながらやっています。
ぼくは往来堂を14年くらいやっているんですが、その前は旭屋書店にいて人文書の担当だったから、そういうこともやってたんですけど、思い出しましたよね。ここ十数年は知識とか体系とか流れとかそういうものと無縁でやってきたんだなと、増田書店さんにお邪魔して感じました。
島田
さきほど、増田書店さんではここに置けばこのお客さんが買うだろうなというのがなんとなく見えているという話だったんですけど、往来堂さんではそういうのはあるんですか。それとも一見さんの気分によって?
笈入
両方やってますね。両方やらないと売り上げが足りない。たとえば、晶文社さんから内田樹さんの本が出ますよとなったら、うちは15人はお客さんがいるなとか。本1冊に対してどれくらいお客さんがいるかなというのは、なんとなくわかります。なんとなくですよ。別に顧客分析して名簿がずらっと出てくるわけじゃないですけど。最近、往来堂の前の店長の安藤さん(*4)のことを思い出すんですけど。無党派層っていうんですか。要するに、自民党支持と決まっている人は一種の専門家みたいなもので、買う本が決まっているお客さん。一方で無党派層、浮動票みたいなものを、どうやって取り込むか考えていて。その場でどうその本を欲しくなってもらうかということですね。その両方やらなきゃいけないので、大変なんですけどね。
*1 吉村店長・・・増田書店勤続40年以上。国立の町の人々に愛される名物店長
*2 レンブラントの帽子・・・バーナード・マラマッド著/小島信夫・浜本武雄・井上謙治訳(2010年5月刊行)
*3 本屋図鑑・・・全国の町の本屋さんを取材してまとめた本。増田書店も紹介されている(2013年7月刊行)
*4 安藤哲也氏・・・往来堂書初代店長。著書に往来堂立ち上げを綴った「本屋はサイコー!」など。(新潮OH!文庫/2001年/絶版)
第7回「町には本屋さんが必要です会議」のお知らせ
「町には本屋さんが必要です会議」(町本会)の公開会議、第7弾が決まりました。
「町には本屋さんが必要です会議」
〜町本会公開企画会議 Vol.7@石堂書店〜
日時:2014年6月13日(金)
OPEN 19:00 START 19:30(〜21:00)
場所:石堂書店イベントスペース(東急東横線、妙蓮寺駅すぐ)
http://www5e.biglobe.ne.jp/~ishidoh/
神奈川県横浜市港北区菊名1-5-9 TEL 045-401-9596
出演:石堂智之(石堂書店)・比嘉栄(三省堂書店新横浜店)・笈入建志(往来堂書店)
司会:島田潤一郎(夏葉社)
会費:500円(ドリンク1本付)
*4/13(日)から予約受付開始となります。
イベントの詳細についてはこちらの記事もご覧ください。
予約は、石堂書店で受付となります。
申し込みは、電話またはメールで、直接、お店に申し込みをしてください。
店頭でも受付可とのことです。
電話:045-401-9596
メール:t-books-ishidoh[at]keb.biglobe.ne.jp (*[at]を@に変えてください)
ご参加いただけたら、うれしいです。